エコ通勤のポスター画像です

エコ通勤通学コンテストの結果発表

このたびは、当コンテストに多数のご応募をいただき大変ありがとうございました。

厳正なる審査により、下記の方が受賞されましたのでお知らせいたします。

最終的に31都道府県より、川柳354首、31のエピソード作品の応募がありました。

結果発表遅延のお詫び

お寄せいただきましたエピソード及び川柳につきましては、当ホームページにおいて2月に掲載予定とお知らせしておりましたが、作業が遅れており掲載できていないことにつきましてお詫び申し上げます。

その他多数の作品をご応募いただきました、その他の作品は以下のリンクよりご参照下さい。

プロジェクトゆうあい:担当 早瀬

応募作品一覧へのリンク

川柳部門

吉田誠一 氏大賞
今日からは 運転手付き バス通勤
安部 のぞみ 氏入賞
CO2(シーオーツー) たまには歩いて コレ捨テロ(ール)
佐々木 民世 氏 入賞
マイチャリを 毎日漕いで 美脚です
角森 みゆき 氏 入賞
チャリ通に かえてひざ下 聖護院
福盛 初美 氏 入賞
バス代を浮かしビールの泡となり
小金奈緒美 氏入賞
バス停で バスを待つふり 君を待つ

エピソード部門

荒木 正秀 氏 <大賞>

私が電車通勤を始めたのは、社会人になってから30年近く経った昨年の4月からである。

それまでは「待ち時間がもったいない」「忙しい時には終電に間に合わない」など、理由をこじつけては自分を納得させ、自家用車通勤をしてきた。

思い返せば、私は高校生の時に電車通学をしていた。この頃は隣町に電車で通勤することが、何か少し大人になったような気がして、誇らしいような気恥ずかしいような気持ちになったのを覚えている。

しかし、その時の窓の外を流れる景色を一切覚えていない。それから長い年月が経ったことになる。

一念発起して電車通勤を始めてみると、美しく懐かしい風景の中を走り抜ける電車にわくわくしている。

そういう視覚的な栄養で元気をもらっている。それから、大人になった私は、少し社会問題にも気づくようになっていて、多くの通勤車が1台に一人乗っているのを見て、地球環境的には何か良くないなあ、でもすぐに妙案が浮かぶわけでもないなあ、などとつらつら考え、頭の栄養にもなっている気がする。

さらに、世間のおじさんがよく言う「帰りにちょっとやるかね?」という台詞が言えるようになって、体の栄養(?)にもなっている。

また、どの程度「ちょっと」やるかを、何本電車をやり過ごすかによって、「1電車」「2電車」という隠語で話せるようになり、人間関係の栄養にもなってきている。

「2電車」の次の日はひたすら眠いこともあるが、今日も窓の外のかけがえのない風景に浸りながら、電車からいろいろな栄養をもらっている。

糸川 未咲 氏 <入賞>

私は普段、主に鉄道とバスを通学手段としています。

今回は、バスの利用者でのエピソードを紹介します。

一昨年の12月31日、私は友人宅から松江市中心にあるアルバイト先へ向かわなければなりませんでした。

しかしあの日は山陰では稀に見る大雪が降っていました。そのための思いのほか、積もっていた雪に足を取られ、私はバスの発車時刻に間に合わず、あと少し、というところでバスに乗れなかったのです。

仕方がないので、次のバスが来るまでバス停で待っていました。相変わらず雪は降り続いており、寒くて寒くて、早くバスが来ないかなあ、と思っていました。

するとそこにおじいさんが通りかかり、私に「寒いねえ、すべらんよーに気をつけーだよ」と一言。

そうですね、ありがとうございますと言ってお別れしました。するとその数分後、今度はおばあさんが通りかかり、また私に「寒いねえ、バス待つのもえらいでしょう。

おばあさんはバスには乗らんけど、はやバスが来るといいね。」と言って下さいました。

それはバスが来るまでのせいぜい20分程度の間にあったことです。

その短い間に、お二人の方が私にあたたかい声をかけてくださったこと、とても嬉しかったです。

雪が降り、本当に寒い日ではありましたが、私の心はとても暖かくなりました。

年の最期の日に、人の思いやりを感じることの出来た素敵なエピソードです。

古瀬 和久 氏 <入賞>

私は2年前からマイカー通勤からバスへ転換しました。

転換のきっかけとなったのは、次男が卒園し保育園までの送迎がいらなくなったからです。

それまでもときどきバスを利用していましたが、自分自身にとってバスは、身近な移動手段ではありませんでした。

今、日々バスを利用してみると、バスは単に移動手段ではなく、コミュニケーションの場であることを実感しています。

バス停では、お互い名前もどこに住んでいるかも分かりませんが、毎朝合う方とは、「おはようございます。」の挨拶を掛け合います。

バス乗車すると、バスの中でしか合わない知人とちょっと周りを気にしながら、世間話をしながら通勤を楽しんでいます。

ときどきある席の譲り合いは、見ていてもやっても本当に気持ちが良いものです。

また、昼間にバスに乗るとご年配の方が楽しく会話しておられることもしばしばあります。

最近、「絆」という言葉をよく聞きますが、世の中には、バスが繋いだり支えたりしている「絆」もきっとあるだろうと思って毎日バスを利用しています。

原 昌男 氏 <入賞>

昨年度までは浜田で単身赴任でしたが、今年度の異動に伴い4月から雲州平田駅から松江しんじ湖温泉駅まで電車通勤をはじめました。

以前も松江勤務がありましたが、当時の部署は業務が終電で間に合わない時も多かったので自家用車通勤で、電車通勤は初めてです。

電車の駅に無料で車がおけるので、これが一番助かります。ただし、一つ難点なのが、実際のところ車両の連結部分付近は揺れがひどいので、腰痛予防のために車両の真ん中に座るようにしています。

電車通勤にして良かったことといえば、ひとつ子供との交流がほんの少し増えたということです。

子供は電車通学で出雲に通っていますが、朝の発車時刻が同じ時間です。

子供は普通は駅までは自転車でいきますが、ときどき駅まで乗せてくれというので一緒に駅まで行くことがあります。

3月までは自分が単身赴任であったり、4月になっても子供は大学受験のために通常は生活時間のパターンが違っており、なかなか面と向かって会える時間もないような感じでした。

短い時間ですが、何となく家から駅までの会話で交流が増え、子供の状況もわかるようになりました。ささやかですが、この点には満足しています。

ただ、電車通勤だといつでも飲める体制にあるので、これは良かったといえるかどうか。

尾島栄子 氏 <入賞>

対面式座席と白杖

バスに乗っていると、ひょんなことで会話が生まれるときがあります。

目が見えないため、白く長い杖 白杖を持ち歩きます。

バスに乗ると、通路を歩く方に当たらないように、離れたところに置きます。

対面座席は、座席の前に通路があります。できるかぎり白杖を体から話さないようにしますが、どうしても通路からよく見えます。

その日は、対面座席のバスに乗りました。乗客が多く、両隣にも誰かが座りました。

白杖は、ゴルフクラブと同じように頭のほうが黒くなっています。隣の人との間からのぞいた状態でした。

そこに、観光客のおばちゃんが乗ってきました。おばちゃんは白杖の黒い部分に興味を持ったらしく、白杖の頭に触れてなんやこれ?なんやこれ?と言い出しました。

怪しまれては困るので、目が見えないから白杖を持っていることを伝えると、黒いところしか見えなかったから何かわからなかったと言われました。

ここで初めて黒い部分だけが通路から見えていると気づいたのです。

突然雨が降ってきました。周りに座っている人たちが、かさを持っていないのにどうしようと話をしていました。

おばちゃんはそれからすぐにバスを降りましたが、降りるときにあんたも大変だねと声をかけてくれました。実際、白杖で歩くことは短い距離でもかなり神経を使います。雨が降ると、白杖を持っている手の反対の手にかさを持って歩かなければならないため、雨があまり好きではありません。

私の白杖は折りたためるし、折りたたむとバッグに入るほど短くなります。

ある方から、バスに乗っている間は白杖をたたむと聞いて、対面座席のときはたたむことにしました。

そのほうが、乗り降りする人たちに当たらないと思っているからです。

バスに乗ると、普段会えない方との出会いがあります。

たまに会話が生まれ、名前は知らなくてもバスだけの友達 バス友が増えていきます。バスを利用してバス友を作りませんか。

馮 心鶴(フウ シンカク)氏 <入賞>

私は中国からの留学生で、毎日自転車と電車とバスで通学しています。

電車とバスに乗る経験は私に深い印象を残しました。
始めて日本へ来た時に、電車の乗る時、ワンマンのことを知らずに、車内のアナオンスの話もよく分からなくて、一度乗り過ごしたことがあります。

全く知らない所で降りて、慌てていましたが、その駅の駅員さんは親切に導いてくれました。
おかげで帰りのチケットを買い、無事に帰りました。

そして、毎日電車に乗る時には、運転席に一番近いドアから入りますから、発車する時は、よく運転手さんの元気な声で「よし、運行」と言うのが聞こえます。

きっとそう言っている時、運転手さんも自分の仕事を誇りに思っていて心から愛しているだろうと思います。みんなの通勤通学などのために一生懸命熱心に働いている運転手さんに本当に感心しています。

その元気な声を聞くたびに自分もまるで励ましてもらったようで、今日も有意義に過ごそうという気が強くしています。

バスに乗る時も運転手さんのある習慣に気づきました。

それは運転中で会った運転手さんはきっと互いに手ぶりであいさつします。しかも、夜になると暗いので相手の顔がよく見えないかもしれないと私は思っても、向こうからのバスが見えれば、運転手さんは必ずあいさつします。

たぶん、あいさつの手ぶりで「同僚だよ、今日も一緒に頑張ろうよ」と言うようなことを伝えているのではないかと思っています。

それで、同僚の間の関心が感じられ、なんて暖かいなあと思っています。

長い通学の道ですけども、退屈が全然感じられません。電車とバスの中から、松江の風景を楽しめるし、自転車に乗りながら小さな声で歌い、気分をさっぱりすることができるし、それに以上の感動ももたらしてくれるし、本当におもしろいと思っています。