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バスブックをご覧のみなさん、初めまして。SHOKO-DO編集長のみつえだです。11月の雨あがり、バスに乗って行ってきたのは八束郡八束町にある溶岩トンネル。行ったことある方いますか?っていうか知ってました?ワタクシは知りませんでした。かなりの感動ものですよ。

某日。ある友人宅に遊びに行った時のこと、八束町に溶岩トンネルっていうものがあるらしい!との情報を聞きつけました。「溶岩トンネルってなんか楽しそう。」と、コンマ何秒の世界でそう思ったワタクシ、さっそくインターネットで調べました。

「八束町、観光、溶岩トンネル」で検索っと・・・すると、ありましたありました。溶岩トンネルのページ。
そのページを読みながら、「2つの溶岩トンネルには名前までついてるのかぁ…。」と感心していると、「“幽鬼洞”は国の特別天然記念物」「“竜渓洞”は天然記念物」なぁ〜んて書いてあるじゃありませんか。そんなにすごいんか?と溶岩トンネルへの期待はますます高まり、「おっしゃ、行ってみよーっと」となりました。溶岩トンネルの存在を知ってから10分間のできごとでした。

当日。午後1時頃、溶岩トンネルの情報をくれた友人も合流し、イザ乗リ込ムハ《大海崎・八束町行き》ノバス!

 

 

ワタクシ、バスは時々使いますが、結構いろんなところに行けるんですよね、バスって…。
平日の昼間だったので、バスの中はゆったりした雰囲気で細い道もなんのその、軽快に進んでゆきました。
しばらくバスに揺られていると、中海が見えてきて、「バスから眺める中海ってなんか新鮮っ!!」とちょっと感動してしまいました。ちょーど雨上がりで陽が差し始めたところだったのですごくキレイだったんです。
そんなこんなでバスに揺られること40分。着きましたバス停は『八束町中央』八角形の待合場が特徴的なバス停です。
バスを降りるとすぐにピルル〜♪っと携帯が鳴りました。
「こんにちは。門脇です。車見えます?」
今回、溶岩トンネルを案内してくださる島根県自然観察指導員の門脇さんからでした。普段、溶岩トンネルは施錠してあるので行く際は八束町公民館(0852-76-3663)に連絡して開けてもらわないといけません。でも、まぁ「行こうかな」と思ったときに電話をするだけで開けてもらえます。
しかも指導員さんの案内付き。とても親切なところです。何を隠そう、ワタクシも電話をしたのは前日でした。指導員さんの車に乗り込み、走ること3分。(歩いても10分そこらの距離です)第二溶岩トンネルの『竜渓洞』に到着です。車で走っていたら見逃してしまいそうな入口でした。「溶岩っぽ〜い。」って思いました。一目見て。「大根島は火山でできた島で、その火山っていうのがあの丘に見えるところです。噴火の際に中心がくぼんだんですね。実は日本で一番低い火山なんですよ。」はっはっはーと笑いながら話す指導員さんの口からいろんな話がこぼれてきます。
「ここの岩は玄武岩でねー、一番柔らかい岩なんですわ。気泡がたくさんあるでしょー。それがここ大根島の玄武岩の特徴ですわ。」
「道路工事をしているときに穴が開いてねぇ、それで発見されたんですわ、」「外国の学者さんとかもよく見にこられるんですわ。こないだなんか、モンゴルと中国ともういっこどっかの国の人がいっぺんにきてねぇ。何語で話してたか覚えていませんわぁー。」

 

 

「へぇ〜、ふむふむ」と話を聞いていると、ガチャガチャッと鍵を開け、トンネルの中から長靴を持ってきてくださいました。
「コレ履いてくださいね」
差し出された長靴を履き、懐中電灯を手に、イザ溶岩トンネルヘ!!岩でできた階段を下りていくと
真っ暗。洞窟だから当たり前なんだけど。
「すべって転ばないようにねー。女の子で転ぶ子多いんだよねー。転ぶと大変なんだよー」
「転びたくありません、絶対に」と心に思うワタクシでした。
中に入って思ったのが、「あったかい。」
指導員さん曰く、1年中どんな季節も14℃で一定なんだそうです。
夏に来ると涼しいし、冬だと暖かい。うらやましい空間です。
どっかのテレビ番組じゃないですけど、トンネルの中は「へぇ〜」の嵐。ワタクシも友人も指導員さんの話にただただ感心するばかり。
特に感動したのは、植物が空気中に根を伸ばしていること。
トンネルの中は湿度がかなり高いので、空気中に根を出すことで水分が吸収できるんだそうです。植物の生命力ってすっごーいと感心を通り越して感動でした。
他にも
[真っ白ですごくちいさなエビ]
[世界で7匹しかいない虫]
少し前までは5匹だったんですって。
「その虫はこのトンネルにしかいないもんでねぇ。ここで発見された数がそのまま世界にいる数なんですわ。こないだ、奥に2匹おったもんだからねぇー、世界に7匹になったんですよ」
指導員さんは楽しそうに話します。[溶岩が流れた痕][戦争のつめあと]…
他にもたくさんすごいことがこの小さなトンネルの中にはあります。すみませんが全部はお伝えできません。たくさんありすぎて。
ぜひみなさんの目で、肌で、身体で、感動してほしいなぁ。と思います。
ただ、残念なことに、今見ることのできる溶岩トンネルは今回ワタクシが行った第2溶岩トンネルだけなんだそうです。

 

 

鳥取西部地震の際にどちらの溶岩トンネルもかなりのダメージを受け、特に第一トンネルは一般開放できないくらいになってしまったそうです。
また、第2溶岩トンネルも入ることのできる範囲が狭くなりました。
指導員さんは言ってました。
「この溶岩トンネルは20万年前のものです。そのうちここも崩れてしまうでしょうねぇ。
今、見ることができるのは運がいいことなんですよ。」
トンネルを出た後は、周辺の土壌の話なども聞く事ができました。
火山灰によってできた黒土の土壌はとても肥沃で、その土壌のおかげで朝鮮人参などのめずらしい作物も作れることができるのだそうです。
ただ、朝鮮人参はその土の養分のほとんどを使うので、6年かけて朝鮮人参を作った畑は、収穫後6年は雑草一つ育つことはないんだそうです。豊かな火山灰が生み出す作物のすごさを感じました。
指導員さんの案内は約1時間。
バス停に帰ると、ちょうど10分後に松江駅行きのバスがくるみたい。
1時間に1本しかバスはないけれど、今回の溶岩トンネル見学には丁度よかったみたいです。
帰りのバスの中、少し傾いた陽とその光にキラキラする中海を眺めながら思いました。
「なんでこんなにすごいところがあんまり知られていないのかなぁ。もったいないなぁ」
バスブックをご覧のみなさん。
松江周辺・路線バスでの小旅行って、結構おもしろいみたいです。
バスの視線から、きっと違ったモノが見えるはず。県外出身のワタクシはそう思います。
遊ぶとこって山ほど海ほどありますね・・・。だって、山と海に囲まれてるんですから。

[本日の遊び代]
バス代
松江駅〜八束中央
往復1320円
取材・執筆:島根大学コミュニティ・ワークス代表 三枝明代